October 21, 2024
ハリさんが語る原爆
昨日のサンデーモーニングでは、スポーツコーナーが終わった後の『風をよむ』のコーナーに、数年前までスポーツコーナーの御意見番で「喝！」や「あっぱれ！」が有名だった「ハリさん」こと張本勲さんが登場しました。日本原水爆被害者団体協議会（被団協）がノーベル平和賞を受賞したことに関連する内容で、MCの膳場貴子アナウンサーによるロングインタビューだったのですが、いつもの明るくて威勢がいいハリさんと違って神妙な面持ちで語っていて、「スポーツコーナーが終わったらウォーキングに出掛けよう」と思いってた私も、ハリさんのインタビューに見入っちゃいました。
1945年8月6日に広島に原爆が落とされた時にハリさんは5歳で、友達と遊ぶために家を出ようとした時に「ばあっ」と光ってドン（いわゆる”ピカドン”）が起こり、お母さんがハリさんとハリさんのお姉さんに覆い被さって助けてくれたのだそうです。白い洋服を着ていたお母さんは、ガラスの破片などが刺さって真っ赤だったとか・・・。
ハリさんの自宅は爆心地からわずか2キロあまりの場所でしたが、間に比治山があったことが幸いして火災にはならずに最悪の事態には至らなかったようですが、それでも外に出たハリさんが見たものは、人々が大きな声で「痛い」「苦しい」「熱い」などと叫びながら走り、ドブ川に飛び込んで亡くなる光景・・・。そのあと学校では、「“被爆者と遊ぶな」といった差別があったようで、ハリさんはいつしか自分が被爆者だとは口にしなくなったのだそうです。
その後プロ野球の世界に入って華々しい活躍をしたハリさんですが、常に心に”原爆症の不安”を抱えていた一方で、体調の悪い時などに「ひょっとしたら原爆症じゃないかな？」と思っても、被爆者ということを一切隠していたので言わなかったのだそうです。
そんなハリさんが60代のころ、新聞社に頼まれて原爆についての記事を寄せ「苦しい悲惨な思いが浮かぶから、8月6日を消してくれ」と新聞に書いたところ、小学生の女の子が手紙をくれて「逆でしょう、8月6日はなくしちゃだめですよ。終生忘れないように」と書かれていて「はっ」としたのだそうです。
この小学生の言葉に背中を押される形でハリさんは2014年、つらくて足を踏み入れることができなかった原爆資料館を遂に訪れたそうです。そして展示されている背中がケロイド状の被害者の写真を見て、原爆に被災して亡くなった姉・点子さんを思い出したのだとか。
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一番好きだった姉さんのね、死ぬ姿を見てるから。全身焼けただれてね。お袋はほんとに苦しかった。よく耐えたと思いますよ。
自分の愛娘が一晩・・・「おかあちゃん痛いよ熱いよ苦しいよ」と言いながら看取ったんですから、いかにお袋が苦しかったか。
子どもの頃は分からなかったけど、大人になって初めてお袋の苦しさ、原爆の悲惨さをかみしめましたよ。
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と涙ぐみながらハリさんが語っていました。
現職のアメリカ大統領として初めて広島を訪れたオバマ氏が、10月14日にSNSに「悲劇から力強い運動を築き上げた」というコメントと共に、核廃絶を訴えてきた日本被団協のノーベル平和賞決定を讃えたそうですが、日本被団協へのノーベル平和賞授賞の理由もまた、「日本の若い世代にそのメッセージが引き継がれていること」だからとのこと。
2025年には被爆80年を迎えようとしている今、84歳のハリさんの思いとは、
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悲惨な姿、光景、人間、物、、、自分の目で見てるし、体験したから。
人間が人間を滅ぼすようなことが絶対あってはならないことを、100年、1000年先でも、
人間が生きている間は語り伝えてもらいたい。
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そして「風をよむ」のコーナー冒頭で、被団協のノーベル平和賞に
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ほっとしました。感謝していますよ。だけども、もう少し早くもらいたかったですね。
亡くなった先人たちにも聞かせてやりたかったですよ。
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と明かしていました。
その動画がTBSの『【完全版】張本勲さん(84)が語る“原爆”「一番好きだった姉さんの死ぬ姿を見ているから」証言する姉と母の記憶【サンデーモーニング】』のリンクからフルで見られますので、是非見てみてください。ハリさん、あっぱれ！！
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