April 17, 2007
これからの日本の物造りが心配
今日、日系の半田メーカーさんの営業部長さんとmeetingがあり昼食をご馳走になったのですが、その時の話（実は、数日前にも別の人と同じような話をしたような気がしますが）。日本が絶対的に世界に誇れるのはクルマを初めとした「物造り」ですが、団塊の世代の人が引退し、我々昭和40年代〜50年代がどんどん管理する役に回り、平成生まれ以降の人達が物造りの中心になってきたときに、果たして日本は今の優位性を維持できるのだろうかと・・・。最近、「プロジェクトX」をよく見るのですが、あの中に出てくるような、ある技術に拘り続け、闇研まで行い、ある時はクビを覚悟で大きな決済を単独で行う、、、。結局は、自分の技術に自信があり、それを信じて成功するのですが、今の若い人達に、そこまでの拘りと覚悟、根気があるのか。技術への拘りや自信は、その人が自分の手を汚し、現場・現実・現物で培ってきた経験が理論を証明して支えて成り立つのだと思いますが、自分の手を汚して積極的に物造りに関わる人が減っているのでは、、、という不安です。少子化はもちろん、理工系離れ、工場の海外移管なども相まって、物理的にも不利な状態になってきているのでは？
このブログにも昔書いたような気がしますが、私が台湾企業、香港企業と渡り歩いてきて感じる日系企業との物造りの考え方の違いは、前者は、100点目指して90点取れたら満足しますが、後者は98点でも満足せず、120点くらいとるような努力をして100点を目指して実際に100点取ることです。実際、90点から98点までになる時間も費用も、0点から90点までになるそれに比べたら長くて高い場合が多く、更に98点から100点の部分はもっとでしょう。それでも、ナノレベルの寸法にまで拘り、金型を磨き続け、材料の不断の研究をし、多彩な工法の研究や改善により実現できたことが、今の日本を物造りで世界一にしたのだと思います。
CADやCAMなどの電子化が発達しすぎた故、デジタルデータは簡単にコピーできるし、液晶TVなどのデジタル製品は、キーパーツを買ってきて組み合わせれば、そんなに知識が無くても90点レベル（98点レベルも同じかな）のものは簡単に作れる時代になって来ました。従って、この分野では日本の優位性はどんどん少なくなる。ということは、日本が物造りで進む道は、中国やインドなどが簡単に真似できない98点から100点の部分での勝負だと思うのですが、拘りや匠の技術が若い人達に継承され辛くなってきている昨今、これからも日本が物造りで優位でいられるのか心配になっている今日この頃です。
Comments
紙老虎:
ごぶさたしています。紙老虎です。
会社にもよりますけど・・・最近取材していても、
開発部と設計部と生産管理部の役割がけっこう
ぐだぐだに交じり合っている会社に出会います。（みんな文句言ってます・笑）
そういうものなのかなぁ〜、と思っていたけど、
研究開発に時間とお金を掛けられなくなってきているのでしょうか？
ああ・・・メルマガ・・・出さなくては・・・。
会社にもよりますけど・・・最近取材していても、
開発部と設計部と生産管理部の役割がけっこう
ぐだぐだに交じり合っている会社に出会います。（みんな文句言ってます・笑）
そういうものなのかなぁ〜、と思っていたけど、
研究開発に時間とお金を掛けられなくなってきているのでしょうか？
ああ・・・メルマガ・・・出さなくては・・・。
(April 18, 2007 08:44 P)
tom:
紙老虎さん、こちらこそ大変ご無沙汰です。研究開発に時間とお金を掛けられない、、、某クルマメーカーのNさんの最近の不調は、それが原因と聞いておりますね。
(April 19, 2007 08:12 P)
団塊の世代はさっさと引退してもらいたいム:
トム様
実は団塊の世代がガンだったりするのですが･･･こいつらが無責任でしかも、ごまかす、うそをつく。この世代の怖いところは赤信号みんなで渡れば怖くないって事でめちゃくちゃしたのが今の日本なのです。この後始末をやっているのが私の仕事だったりするわけですが。
Ｎ自動車にしても,研究開発費を削らないといけなくなったのは、経営陣の無能さによるけど責任を取ったわけではないので、結局いきずまるのです。
つまり、戦中派の世代は敗戦から今の日本の礎を作りましたが、団塊の世代が作ったのはバブルだけ。技術が世界一といっても個人に帰するだけで学問にもならないし、体系化もしていない。それがちゃんとできたのはトヨタと松下だけですねぇ。アメリカは８０年代に日本に学んだけど、日本ではどうなるのかな？
日本的せこさで、アメリカの真似してもうまい具合に何とかなるのも面白いですね。
でも、団塊の世代よりも、若い奴らの方がまともです。
実は団塊の世代がガンだったりするのですが･･･こいつらが無責任でしかも、ごまかす、うそをつく。この世代の怖いところは赤信号みんなで渡れば怖くないって事でめちゃくちゃしたのが今の日本なのです。この後始末をやっているのが私の仕事だったりするわけですが。
Ｎ自動車にしても,研究開発費を削らないといけなくなったのは、経営陣の無能さによるけど責任を取ったわけではないので、結局いきずまるのです。
つまり、戦中派の世代は敗戦から今の日本の礎を作りましたが、団塊の世代が作ったのはバブルだけ。技術が世界一といっても個人に帰するだけで学問にもならないし、体系化もしていない。それがちゃんとできたのはトヨタと松下だけですねぇ。アメリカは８０年代に日本に学んだけど、日本ではどうなるのかな？
日本的せこさで、アメリカの真似してもうまい具合に何とかなるのも面白いですね。
でも、団塊の世代よりも、若い奴らの方がまともです。
(April 19, 2007 01:21 P)
ムギタです:
↑文責はムギタです。
(April 19, 2007 01:22 P)
tom:
むぎたさん、貴重なご意見、有り難う御座いました。団塊の世代も職人は重要だが経営者はNGのようですね。確かに、定年後も求職があるのは職人であって、管理者には無いようですしね。尚、若い人がまとも、と聞いて、ちょっと安心しました。何しろ、私はもう10年以上も、今の日本人の若者と一緒に仕事したことありませんので・・・。
(April 21, 2007 11:19 P)
