May 23, 2018

立ち上がれ日本人:マハティール・モハマド

日本のGWが終わった後に賑わっていたニュースで私にとって非常に身近に感じられたのが、1957年の独立後初の政権交代となったマレーシアのマハティールさん首相就任のニュースです。しかも93歳という年齢は、選挙で選ばれた指導者では世界最高齢になるとのこと!

マハティールさんは過去に22年間にわたって首相として政権を担っていましたが、ちょうど私がマレーシアに長期出張し(2年間で366日)、その後家族と共に赴任して駐在していた時(1994年〜2001年)にあたり、「ルック・イースト政策」を導入して2020年に先進国入りする目標『WAWASAN 2020』の看板を街のいたるところで見かけたものでした。

当時はまだ日本が元気な時だったので、若干上から目線で懐疑的に見ていたのも正直なところですが、その後の日本の「失われた20年」や昨今の首相の動向と国会の混乱した状況、そして北朝鮮問題では全くと言って良いほど存在感を発揮できない母国を見ていると、あらためてマハティールさんの偉大さを思わずにはいられませんでした。

そんな中、Facebookに高校同窓生が「日本で政治してくんないかなぁ」とコメントしてリンクをシェアした『日本人よ誇りを持て」日本の高校生を泣かせた、92歳のマハティール首相のスピーチ』という記事には其のスピーチの全文が紹介されていましたが、2003年12月に発行されていた書籍で其れが収録されているマハティールさん著書の書籍『立ち上がれ日本人:マハティール・モハマド』を読みたくなり、Kindle版をダウンロード購入して読みました。

この書籍を翻訳された加藤暁子さんが「訳者前書き」に書かれた内容で共感する部分が多かったので、その一部分を以下に転記します。
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人口わずか2300万人余りの東南アジアの小国が、世界の大国に堂々と意見をする姿に何度、私はすがすがしさを感じたことでしょうか。そして、どれだけマレーシア国民が羨ましいと思ったか。こんなリーダーが日本にいたらどんなに「日本」という国に誇りを持てたでしょうか。

ただただ米国の言いなりになる”経済大国”の政治家には、腹立たしさよりふがいなさを覚えます。マハティールに直にインタビューを続けて5年余り、しかし、そんな私は「日本」という国に生まれたことを感謝するようになりました。

「日本はすごい国だ」「日本の勤勉精神はどこにも負けないセールスポイントだ」と言い続けるマハティールに、「まだまだ日本人は負けてはいられない。自信をもとうじゃないか」との気持ちが高まってきたのです
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「訳者前書き」は最後に以下のように締めくくられていますが、その後に目次を記しときます。「マハティールさん、Terima Kasih Banyak!」

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序章の「日本人よ誇りを持て」は、2002年11月、マレーシアを訪れた東京都立国際高校の修学旅行生に対してマハティールが行ったスピーチです。「あなたたちには日本人の勤勉な血が流れているのだから、誇りに思いなさい」

茶髪の高校生たちは、マハティールの言葉に「感動した。こんなことを言ってくれる日本の政治家はいない」と感激していました。握手をして泣く子供たちの姿に、日本もまだまだ捨てたものではない、と私ももらい泣きをしました。

日本という国はいま、羅針盤を失っています。米国に追いつけ追い越せと一丸になって経済発展を遂げた日本は、確かに物質的に豊かな国になりました。しかしその半面、人の心がゆがみ、若者が夢を失っているのです。子どもたちは「大人になってもいいことなんかない」と退廃的になり、欲望のおもむくままに行動しています。その悲鳴を大人たちは受け止めているのでしょうか。日本はまさに、大人が手本を示さなくなってしまった国に成り下がっています。

アジアの哲人宰相マハティール。いったい彼はなぜ、日本を愛し続けてくれるのでしょうか。彼は日本が汗水たらして歩んだ過去を振り返り、精神的な「国のかたち」のありかを私たちに投げかけています。「国を愛する」という意味を、曲解するすることなくマハティール首相の言葉から感じとっていただけたら、これほどの喜びはありません。
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序章:日本人よ誇りを持て
・日本に学んだこと
・日本人よ自信を取り戻せ
・辞任にあたって伝えたいこと

第1章:ルックイースト - 日本への憧れ
・アジアはいつも日本を仰いでいた
・「自由貿易」という圧力
・新たなる「植民地化」の危機
・「日本株式会社」の素晴らしさ
・アジアは欧米にあらず
・今こそ強力なリーダーを

第2章:教育こそ国の柱
・知識教育を怠るな
・科学的思考の重要性
・宗教教育と道徳
・フリーターが国を滅ぼす
・若者よ、愛国心を持て
・家族の役割

第3章:中国に怯えるな
・中国は脅威か
・ASEANと日本の優位性
・巨象を軍備に走らせるな
・中国はチャンスだ

第4章:日本人こそイスラム世界を理解できる
・誤解されたイスラム教
・パレスチナ紛争は宗教対立ではない
・テロは許せない
・領土を拡張してきたヨーロッパ人
・イラク戦争の誤り
・ネオコンに対する危惧
・日本人よ、盲従するなかれ

第5章:富める者の責任
・真のグローバリゼーションとは
・節度ある規制を
・「地球税」が世界を救う
・民主主義は絶対ではない
・途上国の声に耳を傾けよ
・自らの足で立ち、戦うということ


21:35:17 | tom | comments(0) | TrackBacks