途夢郷どっと混む

July 31, 2020

李登輝さん安らかに

台湾の元総統である李登輝さんが7月30日の夜、亡くなりました。享年97歳。私が台湾の会社に入って台湾に住み始めた2001年3月は既に民進党の陳水扁さんが総統になっていましたが、おそらく、当時読んだ小林よしのり氏の『新・ゴーマニズム宣言SPECIAL 台湾論』で李登輝さんのことを知り、京都大学で学び日本語が堪能だった李登輝さんに親近感を覚え、何も知らなかった台湾で仕事をし生活するのを勇気づけられたような記憶があります。

もっとも、そんな書籍（漫画）を読んで先入観があったせいか、台湾に行った当初は「台湾人の多くが中国からの独立を望んでいる」と思ったら実際にはそんなことは無く、今のようなポジションを継続することを望んでいる人たちが多くて驚きました。また、李登輝さんは絶大なる人気があるのかと思いきや、李登輝さんの前の総統である蒋経国さんの評価の方が高かったのを記憶しています。

李登輝さんは国民党で現在の総統である蔡英文さんは民進党なので関わりが無いのかと思いきや、李登輝さん逝去関連のニュースの中に蔡英文さんが自身のフェイスブックで「最も深い哀悼」を表明したという内容があり、李登輝さんが総統在任中に台湾の世界貿易機関（WTO）加盟や対中政策に関わっていたのだそうです。蔡英文さんが李登輝さんを「台湾を台湾人の台湾にしてくれた」と称えたというのが印象的でした。

台湾出身者として初めて総統に就任し、憲法改正で実現させた史上初の総統直接選挙で当選し、台湾の民主化に大きく貢献した”ミスター・デモクラシー”李登輝さんのご冥福を心からお祈り致します。

23:59:00 | tom | | TrackBacks

July 30, 2020

昭和ポップス

7月28日（火）の夜はリビングのソファーに座り、手に持った12.9インチのiPad Proでは娘に薦められた『私の家政夫ナギサさん』をParaviで観て、テーブルに置いた9.7インチのiPad Proではプロ野球中継の千葉ロッテ vs. 東北楽天戦をDAZNで流し、そして家族がテレビで『この差って何ですか？』を観ていたので、わたし的には一直線上に3つのコンテンツを慌ただしく観ていた感じになりましたが（笑）、『この差って何ですか？』で遣っていた「昭和ポップスと平成ポップスの差」に見入ってしまいました。

今、若い人の間で昭和ポップスがブームになっているようで、都内の歌謡バーでは30歳以下限定で平成生まれのみが参加できる「昭和ポップスのイベント」が開催され、クラブでは夜通し昭和ポップスだけを流し続ける「昭和歌謡ナイト」が大盛況なのだそうです。女優の上白石萌音が歌う小坂明子の「あなた」の動画は182万回再生の大反響だったとか！

街頭インタビューでは平成生まれの若者が、それぞれ好きな歌手に関して以下のように語っていました。
・中森明菜：人生経験を一回りも二回りもしているような大人な歌詞を、あの若さと美しさで歌っているのが凄く魅力的。
・山口百恵：落ち着いて、品のある女性。そういったところに魅力があり惹かれる。
・尾崎豊：「盗んだバイクで走りだす」っていうのが破天荒で昔の人っぽい。

そして昭和ポップスを語らせれば”芸能界一”と豪語する平成生まれの2人が、その魅力をプレゼンしていました。1人目は、自身のYouTubeで昭和の名曲を次々とカバーしている女優で歌手の田村芽実（21歳）。そしてもう1人はBEYOOOOONDSのメンバーの島倉りか（19歳）。二人とも私は初めて見る女子でしたが（笑）。

昭和ポップスと平成ポップスの差の1つ目は「情景が浮かぶ歌詞」だそうで、昭和ポップスは3～4分間聴くだけで、映画みたいな情景が浮かぶのが魅力だとか。例えば、
・山口百恵「秋桜」：結婚を明日に控えた娘が、母親と過ごす最後の時間をかみしめている様子を描いている。
・野口五郎「私鉄沿線」：別れた恋人との思い出が詰まった街から、ずっと引っ越せずにいる男の悲哀を描いている。
・松田聖子「渚のバルコニー」：海辺を舞台に、少女がいじらしく男性に恋する様子が思い浮かぶ。
・斉藤由貴「卒業」：別れを悟った高校生カップルの揺れ動く気持ちを卒業の日に重ねた。
・アリス「チャンピオン」：引き際を悟ったボクシングのチャンピオンが運命をかけた最後のリングにのぞむ。

なお、太田裕美の「木綿のハンカチーフ」の歌詞が深掘りされていましたが、これは4番まであって起承転結が見事に描かれた歌詞だそうです。タイトルの「木綿のハンカチーフ」は4番の最後にやっと登場すると説明していましたが、こうしてあらためて見てみると確かにそうですね。都会に出て行って変わってしまう彼氏の様子を見事に描いています。

そして昭和ポップスと平成ポップスの差の2つ目が「男女の立場の差」で、平成ポップスの場合はAIの「story」に代表されるように、強くてカッコよく誰もが憧れる女性をテーマに描くことが多い一方で、昭和ポップスの場合は女性が健気に男性を待っている歌詞が多いとのこと。代表的な楽曲は、
・あみん「待つわ」
・石川ひとみ「まちぶせ」：片想いの男性を振り向かせるまで待ち続ける女性を描いている。
・渡辺真知子「迷い道」：意地を張って振られたものの、いまだに思い続けている女性を描いている。
・テレサテン「時の流れに身をまかせ」：究極の愛を貫く健気な女性を描いている。

通常は会話をしてもジェネレーションギャップで通じないことが少なく無いと思われる自分の子供たちのような歳の若者と、一緒にカラオケに行くと意外と昭和ポップスをデュエットできたりしちゃえるんですかね（笑）。

23:38:00 | tom | | TrackBacks

July 29, 2020

ベーシックインカム

週刊エコノミストの7月21日号の特集で「ベーシックインカム入門」がありましたが、コロナ禍以前は「ベーシックインカムなんて社会主義の国で貧しい国だけが必要なもの」くらいにしか思っていましでした。しかし、このコロナ禍でベーシックインカム（BI）の議論が日本でも盛り上がっているそうで、この特集を読んでBIのメリットも少なくないことを認識し、あながち全否定するものでは無いと考えを改めました。

ベーシックインカム（BI）とは、政府が全ての人に最低限の生活ができる収入を無条件で給付する構想で、誰しもが働かなくても食べていける夢のような制度であり、既に我が家も3人分頂戴した特別定額給付金が毎月支給され続けるような制度です。議論が盛んになった直接のきっかけは新型コロナだったそうですが、大きな背景には日本の構造変化があり、相対的に所得の低い世帯が増えていることが挙げられるとのこと。

現状は”最後のセーフティネット”として生活保護制度があるものの、目先の収入を不可抗力によって突然断たれた人には使いにくく、福祉事務所から親族等々の様々な調査を受けて止むを得ないと認められた場合に初めて支給され、受給中も毎月収入を報告しなければならないなど面倒で、受給を躊躇する人が多いのだそうです。

困っている人を選ばず救済し、大量失業時代のセーフティネットになるBIのメリットとして挙げられていたのは、
1. 普遍的に支援できる
　　既存の社会保障制度は選別主義的
2. 再配分の崖がない
　　給付上の不公平がなく、労働のインセンティブも働く
3. 幸福度が上昇する
　　人々のストレスが減少し、生活満足度が上昇
4. 労働環境が改善する
　　ブラック企業そのものが減る可能性がある
5. AI時代の救世主
　　自動化によって一時的に仕事を失う人が出た際のセーフティネットになる

記事中盤に経済学者の竹中平蔵氏や脳科学者の茂木健一郎氏などのインタビュー記事が載っていましたが、
・明日どうなるか分からずに生活に追われていると、ゆっくり自分の将来を考えたり知識を身につけたりすることができない。BIは脳の発育や脳の創造的な働きへの投資である。
・欧米では何らかの経済的な裏付けがあって、何もしなくても1～2年は大丈夫という研究者たちがいて、そういうところから文化やイノベーションが生まれるという実感がある。
・BIはゼロを定義し直す。収入も何もないところがゼロではなく、月10万円もらうところが出発点になる。
・ビジネスを起こすために日々チャレンジし続けなければならないが、チャレンジにはリスクがつきものでセーフティネットが不可欠。BIは究極のセーフティネットと言える。
・BIが就労意欲を削ぐという意見もあるが、月7万から8万円で仕事や会社を辞める人は殆どいないし、働いても食べられない人が膨大にいる方が問題。
と言及していて、「なるほどなぁ」と眼から鱗でした。確かに「仕事がなくなる＝食べていけない」という状況を考えなくても良いのなら、あらゆることに”ゆとり”ができ、今のように毎年2万人以上も自殺者が出る日本の状況も大きく改善するのではと思いました。

実現への高い壁は財源であり、BIの議論は既存の社会保障制度の扱いや税制の根幹までに及ぶのでその壁は相当高いようですが、BIへの歩みを進めようと研究者や活動家らが2018年の12月に『日本ベーシックインカム学会』を設立し、このコロナ禍でBIを求める素地が広がっているのは間違いないそうです。

23:38:00 | tom | | TrackBacks

July 19, 2020

三浦春馬とジャンポケ斉藤

昨日の午後、衝撃的な悲しいニュースが入ってきました。そう、あの人気俳優の三浦春馬が亡くなったのです。しかも自殺というショッキングな内容・・・。順風満帆で悩みなど抱えてなさそうな好青年にしか見えなかったのに、残念でなりません。個人的には『永遠の0』が印象的でした。故人のご冥福を心からお祈りいたします。

一方で、このコロナ禍でビジネス環境が悪くなり、行動制限等々でストレスを抱えている人が多いと思われる中、彼のような有名人が若くして自分で命を絶ってしまったことで、かつてアイドル歌手の岡田有希子が亡くなった時のような後追い自殺が増えないことを切に願っています。

そんな時に思い出したのが、読売新聞の「STOP自殺＃しんどい君へ」という連載コラムに掲載されていたジャングルポケット斉藤慎二の内容です。今となっては全然そんな風には見えず、どちらかというと苛めっ子のようにも見えますが（笑）、彼は小学3年生から中学生の頃まで虐めを受けていて、生きていることがつらくて絶望しかなく、首をくくろうとしたこともあったのだそうです。

詳細はこちらのリンクを見て頂くとして、自殺をしようとしていた時に、異変に気づいた兄が駆けつけてきて、「何やってるんだ。死んだら全てが終わる。絶対、時間が解決してくれるから」と叱られ、結局高校に進学して人間関係が一新されると虐めは本当に終わったそうですが、今思うと彼もお兄さんも完全に間違っていて、親に早く相談するべきだったと言っています。

そして最後に、以下のように〆ています。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
もし、つらいこと、苦しいことがあったら、何かの機会を見つけて僕に直接、相談してほしい。一人ひとり、悩みも状況も違うと思います。僕は、自分を押し殺して耐えてきた時間が長かった分、君の痛みがほかの人よりも分かると思う。この人なら自分のことを話せるという存在になりたい。君の悩みに真摯に向き合い、力になりたいと心の底から思っています。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

三浦春馬も誰かに相談して欲しかった。ジャンポケ斉藤に相談して欲しかった・・・合掌。

23:57:00 | tom | | TrackBacks

July 18, 2020

安斉かれん

「女優田中みな実」というタイトルの日記を書いた時に、浜崎あゆみの「事実を基にしたフィクション小説」といわれる『M 愛すべき人がいて』のテレビドラマ版の話をしましたが、その主役でAyu役だった安斉かれんが最近テレビにやたらと出ています！

ドラマ内では歌が超下手くそな雰囲気を醸し出していたのに、実は昨年シンガーとしてデビューしており、Mスタに初出場して披露した自身5枚目のシングル『僕らは強くなれる。』やカバーしたm-floの『come again』は結構上手くてギャップが衝撃的であり、「これもAvexの戦略か！」と思いましたよ。

その後も毎日のように何かの番組に登場していて、私も『踊る！さんま御殿!!』と『今夜比べてみました2時間スペシャル』で出演しているのを見て、そして今日タイムシフトマシンで何げに見た『ダウンタウンなう』にも出演していましたが、いやぁ、見れば見るほど愉快で一緒に飲みに行きたいくなりましたよ（笑）。

見た感じは正に”ザ・ギャル”で、『ダウンタウンなう』で松ちゃんが思わず「キャバクラに来たような感じがする」と発したのが理解できる雰囲気なのですが、TVで見た彼女の以下のような振る舞いや印象が超親近感を覚えたのです。

・お酒が大好きでタコブツを肴に飲むのが好き
・好きなお酒は麦焼酎の二階堂
・外出自粛の時は昼間から宅飲みしていた
・中学時代吹奏楽部だったのでサックスが得意
・お父さんにローリング・ストーンズのコンサートに連れてってもらったのが音楽を始めるきかっけ
・松ちゃんに「ゲストで来て、こんなにツマミ食うやつ初めてや」と言われてた
・英語と中国語がペラペラ（詳細は後述）
・話している時の手振りが高校野球部同級生の某君や星奈に似ている

『M 愛すべき人がいて』に出演する以前はミュージックビデオで「CGでは？」とも言われていたくらいお人形さんのようなビジュアルの彼女ですが、丸顔なので何だか星奈と義娘の舞を足して2で割ったようにも思えるし、でも最も私の心の琴線に触れたのが英語と中国語でした。

実際に英語や中国語を話せるわけではなく、タモリが大昔に北京語や広東語を話しているような口調をするのと同じなのですが、それが絶妙ですっかり魅了されましたよ。自由すぎる新感覚の令和ギャルから今後も目が離せません（笑）。

23:38:00 | tom | | TrackBacks

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