October 30, 2007

鉛フリー半田は時限爆弾？

今日読んでいた日経ビジネス10月15日号の時流超流の中に「茶の間に潜む「時限爆弾」・鉛フリーはんだの耐久性、初の本格調査へ」というタイトルの記事がありました。そのはんだの接合でビジネスをしている弊社にとっては気になる記事。本文の冒頭も「まるで爆弾が仕込まれているようなものだ」という過激な表現。

トリガーは、産業技術総合研究所が来年の4月から鉛フリーはんだの耐久性調査に踏み切ることのようですが、実際に市場で起きている発火事故、製品回収などもはんだが原因で起きている場合が多いようです。文中では、なんと、日本の半田メーカーの雄であるＳ社の開発技術部の人が「家電製品が発火、発煙するような事故の原因は、大半がはんだ」と言い切っているとのこと。先日参観したCEATECの実装フォーラムでも、「自動車メーカーは部品メーカーに部品個々の耐久性をより厳しくしているが、壊れているのは大半が接合部であるはんだの部分」と、ある講師の人が言っていたのを思い出しました。

実際、その辺の耐久性を懸念して自動車メーカーは鉛フリーはんだへの意向に慎重ですし、使う側にしても濡れ広がり性が悪いのではんだ付け品質、画像検査装置などによる検査品質、リフロー時のセルフアライメント性が低いなど、工程管理や品質管理に気を使うところが多く、それだけでも一般論としてのはんだ付け品質は低下している気がするのに、そのもの自体の耐久性が低いとあらば、確かに時限爆弾と呼ばれても致し方ないかも知れませんね。更に、鉛フリーはんだに含まれている銀の価格が高騰していて、それに対応するために低銀タイプのはんだも検討されていますが、耐久性は更に劣るようですし。。。

今後、数年以内にクルマの中に使われる電気部品が50％以上を超えると言われている中、産業技術総合研究所の調査結果如何によっては（でも、なんで来年の4月なんでしょう？　心配なら、今すぐ開始してもおかしくないような気がしますが、、、）、今後の動向が大きく変わるかも知れませんね。


Posted by tom at 11:15 P | from category: 仕事関係 | TrackBacks
Comments

hashy:

> なんで来年の4月

独立行政法人なので本年度予算が付いていないからとか、耐久性調査担当のお偉いさんが天下って来るのが４月とか、「なんだかなあ」という理由のような気がしています。

さて私は銀相場で一稼ぎ、と行こうか・・・
(October 31, 2007 09:37 P)

toff:

トラックバックは受け付けてないんでしょうか？
さっきからコメント受け付けられないんですが・・・。
(November 01, 2007 12:42 P)

toff:

コメントできました。

トラックバックするつもりで書いた記事は、そのままブログにアップしました。

鉛フリー半田の耐久性が今更問題にされてもっていうのが正直なところですが、これで全ての家電製品にＳタイマーが仕組まれるってことになるのかなぁ（笑）
(November 01, 2007 12:46 P)

むぎたでし:

やっとこさ、まともに仕事する人達がでてきたってことでしょうねぇ。団塊の世代がいなくなると傷つく人がいなくなるので。
実際のところ、鉛フリー半田はどうなの？ってとこに興味はありますし、車がこんだけ電子化してくると信頼性を考えないといけないので、結果を見たいですし、お国の研究機関じゃないとお墨付きは得られないから仕方がないかな。こういうのはある程度、一般化しないと問題も顕在化してこないし、日本国内では古泉以来おかしくなっていたこともあったけど、やっとまともになってきたみたいですね
(November 01, 2007 06:39 P)

tom:

hashyさん、そうか、予算ですか。日本の予算管理に比べると、香港企業の予算関係は超いい加減なのでギャップが大きいです。ところで、
hashyさん自身の景気は良さそうですね。iPhone、10台くらい送りましょうか？　銀座の小姐へのプレゼントに（笑）
(November 01, 2007 09:10 P)

hashy:

任天堂様のおかげです。(^_^)v
http://company.nikkei.co.jp...

ちなみに、台北の小姐には随分と無駄な投資をしましたが、学習効果も有って銀座の小姐には投資してませんよ。
(November 01, 2007 09:39 P)

tom:

toffさん、すいません。以前、トラックバックスパムにあったので、それ以来、トラックバックを無効にしています。スパムが減っていたら有効に戻してみたいと思っていますが、時期は不明です。m(_ _)m

また、記事の紹介有り難うございました（って、元々が日経ビジネスの記事ですが。笑）。確かに、鉛フリーで日系メーカーの強味が発揮されていた部分があったし、それなりに投資もしてきた筈なので、確かに「今更」ですよね。
(November 02, 2007 08:27 P)

tom:

むぎたさん、鉛フリー、今まで100年以上？使ってきた鉛はんだをわずか10年ちょっとで一新しようとした訳ですから、無理があっても仕方がないような気もします。しかし、消費者が事故に関して敏感になっている今、特に、マスコミが鬼の首でも取ったかの如く騒ぐ今、これから暫く楽観出来なくなりそうですね。
(November 02, 2007 08:33 P)
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