November 03, 2018

菊とギロチン

私の『東京国際映画祭2018』鑑賞の第4作品目は木曜日に観た『菊とギロチン』でしたが、19時30分上映開始の映画はたっぷり3時間で、上映が終了したのは22時30分。その後、監督と主演女優さんが登壇してQ&Aのコーナーがあり、TOHOシネマズを出たのが23時を回っていて、自宅に到着したのは0時45分ころでした! 私にとっては『沈まぬ太陽』の3時間22分に次ぐ上映時間が長い映画だと思いますが、これは自宅のTVで観たので、劇場では最長の映画だと思います。

この映画を予約する時には、東出昌大が出演するのと可愛らしい女性が相撲のポーズをしている写真だったので、「女相撲に関係する現代の青春ドラマ」だと思っていたら全然違っていて、私にはメチャクチャ内容が難しい映画でした。そして性的描写も出てくるし、日本と韓国の敏感な過去の問題も出てくるし、リンチや暴力も結構出てくるしで、隣の座席で観ていた欧米人のカップルがどんな気持ちで観ているのだろうと、ちょっと心配になりましたよ(笑)。

映画祭では「Japan Now部門」での出品作品であり、私は全く知りませんでしたが、7月にロードショーで公開済みの映画でした。舞台は大正末期の関東大震災直後で、かつて実際に日本全国で興行されていた女相撲の一座と、実在したアナキスト・グループ「ギロチン社」の青年たちの物語です。これまた私は政治運動等には無関心なので知りませんでしたが、"アナキスト"とは無政府主義者のことで、"無政府主義"とは「既成の国家や権威の存在を望ましくない、必要でない、有害であると考え、調和的な社会結合を目指す政治思想」だそうです。

昨年、京都府舞鶴市で行われた春巡業の土俵上で市長が倒れ、救命措置をした女性に対して「土俵から下りてください」と行司が場内アナウンスを繰り返した事件がきっかけで、相撲の「女人禁制」の是非が取りざたされましたが、その時にも何処かのメディアで「昔は女相撲があった」とも言っていた気がします。今回の映画は正にそれで、女だという理由だけで困難な人生を生きざるを得なかった当時の女性たちにとって、「強くなりたい」という願いを叶えられる唯一の場所だったのが女相撲の一座だったそうです。

とにかく長くて難しい映画だったので内容を分かりやすく説明できませんが(でも結果的にネタバレしません、笑)、Q&Aのセッションでの瀬々敬久監督と主演女優の木竜麻生さんの話を聞いてから分かった部分もあり、その後は内容も面白かったと思えてきましたよ。

客席から「最後の警察と女相撲一座との乱闘シーン、なんでスローモーションだったの?」という質問が出ましたが、な、なんと、「あれは全部雨降らしでやりたかったんだけれど、ホースが3本しかなくて前半だけで無理だと分かった。どんどん時間もなくなっていくので、「おまえら、戦え」と言って段取りもなくぶっつけ本番でやった。あれを普通のスピードで見ていると耐えられないからスローにした。」と驚きの事実を暴露し、会場を笑わせていましたよ。

また木竜麻生さんは今まで認識していなかった女優さんですが、TVCMにはコンスタントに起用されているようですし、もうすぐ公開される『鈴木家の嘘』にも出演するようです。彼女が出演した映画の中では『アゲイン 28年目の甲子園』なんてのが気になるので、AmazonプライムビデオやWOWOWオンデマンドで探してみたいと思います。私と同じ新潟県出身なので、今後も注目したい女優さんです。


23:13:00 | tom | comments(0) | TrackBacks