February 26, 2021
中国で働くエンジニアが語る勉強のツボ
ということで、原稿執筆依頼を受けて締め切りまでに書き上げて提出し、出来上がったムック本が『中国語マスター＆働くキャリアガイド』でした。既に絶版なのでAmazonでも中古のしか買えませんが、私が書いた原稿の部分は『★楽しく、目標を持ってマスターをめざせ！「学ぶ」』というコーナーで「中国で働くエンジニアが語る勉強のツボ」として載っていました。全部一気に載せると超長くなるので、数日に渡って紹介します。なお、本に載った時には私が提出したオリジナル原稿とは結構変わりました。依頼された出版社の人が校正してしてくれ事前に見せられましたが、「さすが！」だと思いましたよ。なお、2004年の末に書いた内容なので、背景もその当時だと思って読んで頂ければ幸いです。
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ツボ1：基本の「き」は日本で勉強するのがオススメ
私はプロフィールにもあるとおり、マレーシアでの5年間の駐在を終えるころ、ちょっとした経緯があり、縁あって台湾に赴任しました。それまで台湾には行ったことがなく、中国語もまったく出来ない状態でした。かといって、中国語ができなければ仕事にも生活にも支障をきたします。そこで、台湾で暮らし始めてすぐに、台湾人の先生にマン・ツー・マンでついてもらい、中国語の勉強を開始しました。
あるとき「shi」「chi」「zhiiなどの巻き舌を使う発音、「an」と「ang」の違い、「en」と「eng」の違い、「chang」と「cheng」の違いを教えてもらいました。私はその発音がそれぞれ違うのか、口の形や舌の位置はどうすればいいのかを知りたかったのですが、先生は生まれてからずっと中国語を話しているわけですから、当然のことながら、その音を出すために口の形をどのようにして、舌の位置を何処に置けばよい、などと意識して話しているわけではありません。
先生にしてみれば、意識してもいなかったことをうまく説明できるはずもなく、ただ発音を繰り返してくれるのみなのです。当時は「困ったことになった、基礎だけでも日本で勉強してくるんだった」と後悔したものです。仮に、中国語をマスターしている日本人の先生に教わったなら、その先生が身につけたものではなく、中国語を「勉強」して出来るようになった発音ですから、口や舌の使い方を具体的に"日本語で"説明することができます。これから中国語圏で一から中国語の勉強をスタートさせようと考えている人には、基本の「き」は日本人に教えてもらうことをおすすめしますね。
また「中国語」とひとくちにいっても、中国人の話す中国語（普通語）は、地方ごとにそれぞれ訛りがあります。日本人で中国語を教えられるレベルの人が話す中国語は、より標準的な中国語に近いことが多いと思いますので、自然な発音の中国語を身につけるには、中国語を勉強する特に初期の段階は、日本人の先生から教わるのがベターだと思います。ちなみに、私の中国語は思いっきり台湾訛りです（笑）。
ツボ2：繰り返しが何よりも大事
現在は、日常会話は問題なくこなせるようになりましたが、私の中国語の勉強のプロセスをひとことで表すなら「実践の中で覚えた中国語、必要に迫られて覚えた中国語」ということになると思います。語学の上達には毎日繰り返し使うことが非常に重要だと思いますが、私の場合、中国語圏で働き、生活することで、嫌でも中国語を使わなければならない状況にあったので、その意味では非常に恵まれた環境だったと思っています。
私もそうでしたが、ある程度の年齢を過ぎると一つ単語を覚えるのにも、子どものようにすばやく吸収、というわけにはいかなくなります。これをカバーするためにも、少しの時間・量でもいいので、毎日、必ず中国語に触れるということが非常に重要だと思います。
では、毎日中国語に触れるにはどうすればいいでしょうか? 一番効率的な方法は、私のように中国語圏の企業に飛び込み、周りに日本人がいない環境の中で中国語しか使えない状況に自分を置くのが一番いいと思いますが、これは誰しもができることではありませんね。
ですが、ビジネスが中国を中心にして回り始めている昨今、日本の会社にいても仕事で中国語圏の企業と接する機会が増えてきていると思います。もし自分の会社がそのような状況にあるのなら、駐在のチャンスがあれば積極的に手を挙げる、中国系企業の担当者になったなら、まずは仕事を通して人脈をどんどん作り、後に仕事抜きで個人としてつきあえる友人をつくる、など自らチャンスをつかんで欲しいと思いますね。友人ができてメール交換やチャットなどをするようになれば実際の中国語に毎日触れることが可能になりますから。
学生の場合は、機会があれば中国語圏に留学し、現地で中国語を学習するのがベストだと思います。今は就職難でなかなか自分の希望したようにはいかないこともあると思いますが、状況が許すなら、無理にあせって就職しないで、数年間（最低2年）中国語圏で中国語を勉強し、中国語運用能力をアピールしながら新たに就職活動をすれば、今よりも有利になるのではないかと思います。もちろん、現在は社会人でも会社を一旦辞めて中国語をマスターしたいという人にも留学は有効な手段だと思います。
現地に行くのはむずかしい、中国語圏の企業と関係する機会もない、という人は、中国語圏の人が参加している異業種交流会やサークルなどに参加してみるのもいいと思います。大切なのは、自分から動くということです。
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次回へ続く・・・
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